古ぼけた埃塗れの狭い部屋。
薄闇の中に■■と□□だけ。
薄汚れてなお鈍い光を放つ柔らかな絹のような髪。病的なまでに白い肌。
そのまぶたは閉ざされ、■■を見ることはない。
暗闇の中でもその白はより一層際立って見えた。壁にもたれた□□は動かないまま。
生きているのか死んでいるのか、そんなことはもうどうでもよかった。そこに□□が存在する。
ただそれだけで、
なのに、
ああ、何度目の夢だろう。
この後どうなるかなんて嫌というほどに知っていた。
ただ、知っていてもそうすることしかできない。
すすけた頬に触れると、その姿は砂のように崩れていく。欠片さえ掴めず消えていく。
汚れた灰がそらに散る。
もはや悲しみもそこにはない。ただ共に朽ちることすら叶わないこの身が憎かった。
そして、いつものようにここで目が覚める。
必死に目に焼き付けたはずの姿はただ、□□だということを除いて何一つ思い出せない。
こんなものを見なければあきめられただろうか。
いいや、決して。
■■はそのために自分を呪ってこうしたのだから。
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