あの子が用途不明の不思議なものや骨董品を集めている理由に気づいてしまいました
名前も思い出せないあの子の大事な存在にいつか見せて喜んでもらいたいから、だって
この上なく合点が行くと同時に猛烈な嫉妬を覚えました
あの子は私だけの存在だったはずなのにあの子は私を見ていないのです
あの子の冷たい湖の瞳が見ているのはいつだって大事なただ一人だったんです
ずるいとは思いませんか、はじめにあの子を見出したのは私で、はじめはあの子も私を見ていたはずなのに
あとからあの子の大事な存在に収まって、それからずっと、ずっと、なくなってもずっとそこにあって
そのせいであの子は私を見てくれません、あの存在だけがあの子の冷ややかな輝きを永遠のものにしました
私はそのためにいつも苦しいのです
ほんの一瞬でも目を奪えたら、軽蔑の眼差しでもいいから見てくれたら、そうしたら刹那を永遠にして生きていけたのに
私はあの子を愛しています、あの子は私を愛してもいないし知りもしないのでしょう
それがただひたすらに苦しくて、それゆえに今もまだ狂おしくあの子を崇拝しています
私の愛があの子の終わりのない体を燃やすことを祈って
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2023.2