小夜啼吸血鬼譚

1.捧

初めて、美しいと思えるものを見た。これまで私はただ一度も心を動かされる事はなかった。そう、あのときまでは。"大いなる夜"から零れ落ちた私たちは幾百幾千も歳を重ねた。けれど、私にとってこの世界はあまりに退屈だった。同胞である姉妹はそうではない…